筍がおいしい春がもうすぐそこですが、旬もクソもなく、食品業界では年中出回っています。
中国産の
孟宗竹が主ですが、缶詰になったものが、スーパーのバックヤードや、ベンダーさんで加工され、惣菜コーナーに並ぶわけです。
炊き込みご飯にせよ、煮物にせよ筍はおいしいもの。
しかし、メーカーにとって頭の痛いのが「チロシン」と呼ばれるアミノ酸。
筍をゆでた時に出てくる白い成分がチロシンで、とにかく体にいいものなんですが、これが水に溶けにくいので白い粉として現れやすく「異物」と見られることが侭あります。
白いものがこびりついている。
食品メーカーで異物といえば十分クレームの対象です。
これは筍の成分が凝固したものであり、もちろん異物ではありません。
むしろ体にいいし。
ですが、末端客(つまり一般消費者)がこれを好まないので、凝固したチロシンがあるとそれを「そぎ落とす」ことが必要となるわけです。ああもったいない。
しかもこれがなかなか落ちないからまた面倒くさい。
筍にチロシンの固まったものはつきものなのですが、スーパーなどで見る筍惣菜にそれが見られないのは裏手の人々の努力のたまもの。
別段問題ない物質を必死にそぎ落とすのもなんだか割に合わない話です。
みのもんたさんが昼に「チロシン」は体にいい、凝固したものなんてさらにいい(別段そんなこともないけど)、なんて事を言ってくれたりすると一発で解決しそうな気もしますが。